性感染症とは

性感染症イメージ

性感染症(STD: Sexually Transmitted Diseases)とは、性的な接触によってウイルスや細菌などの病原体に感染し発症する病気の総称です。これには性器同士の接触だけでなく、オーラルセックスや肛門性交によっても感染することがあります。性感染症には症状が出にくいものもあり、感染に気づかないまま広がることがあります。また、症状があってもデリケートな部位に発症するため、受診をためらうこともあります。しかし、放置すると悪化することがあるため、異常を感じたら早めに受診することが重要です。性感染症が疑われる場合は、血液検査、尿検査、分泌物の採取などを行い診断し治療します。

主な性感染症

性器クラミジア感染症

原因

クラミジア・トラコマティスという細菌

潜伏期間

1~3週間

症状

  • 女性:おりものの増加、不正出血、下腹部痛。長期感染で不妊や肝周囲炎(上腹部痛)になることもあります。
  • 男性:排尿時痛、尿道からの膿。放置すると精巣上体炎や男性不妊の可能性があります。

治療

アジスロマイシンを4錠1回だけ内服する治療を行っています。

淋菌感染

原因

淋菌

潜伏期間

2~7日

症状

  • 女性:おりものの量が増える、不正出血、下腹部痛。放置すると骨盤内炎症性疾患(PID)や不妊症を引き起こす可能性があります。
  • 男性:尿道炎による排尿時の痛み、尿道からの膿。

治療

抗生剤の静脈注射1回を治療で行います。パートナーも検査を受けることが推奨されます。

梅毒

原因

梅毒トレポネーマという細菌

潜伏期間

約1ヵ月

病期

  • 第1期:性器や肛門に痛みのないできものやしこり(数週間で消える)。
  • 第2期:全身に広がり、バラ疹(淡い赤色の発疹)が手のひら、足裏、体幹部に現れる。
  • 第3期以降:数年~10年後に全身にゴム様の腫瘤が発生。さらに進行すると脳や神経、血管に重篤な障害が現れる。

治療

ペニシリン系抗菌薬 早期治療で約2週間

性器ヘルペス

原因

単純ヘルペスウイルス(HSV-1、HSV-2)

潜伏期間

2~10日

症状

  • HSV-1:歯肉口内炎、性器ヘルペス(性器に水疱や潰瘍)。再発時には口唇ヘルペスが多い。
  • HSV-2:性器ヘルペス(再発時の症状は軽度)

治療

抗ウイルス薬パラシクロビルを1回2錠分を5日間内服及び局所への同剤塗布を行います。重症時は点滴。再発防止には予防的な抗ウイルス薬の服用も。

尖圭コンジローマ

原因

ヒトパピローマウイルス(6型、11型)

潜伏期間

3週間~3ヵ月

症状

外陰部や肛門周りにカリフラワー状の赤紫色のイボ。自覚症状は少ないが、かゆみや痛みが出ることもあります。

治療

  • 薬物療法:イミキモド5%クリーム
  • 外科的治療:CO2レーザー蒸散術、液体窒素による凍結療法、電気メス焼灼法、切除

性感染症は早期発見と治療が重要です。異常を感じた場合は恥ずかしがらずに受診し、適切な治療を受けましょう。

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