妊婦健診

妊婦健診は、妊娠の進行が正常であることを確認するための健診で、母子保健法に基づいて行われます。目的には、ハイリスク妊娠の早期発見、合併症の予防、胎児の異常診断、分娩時期の予測があります。
健診の間隔
- 妊娠11週目まで: 3回
- 妊娠12~23週: 4週間に1回
- 妊娠24~36週: 2週間に1回
- 妊娠37週目以降: 週に1回
健診時の検査項目
血圧測定 | 妊娠高血圧症候群のリスク確認 |
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体重測定 | 体重の増加が適正か調査 |
尿検査 | 尿蛋白や尿糖の数値で合併症や腎機能を確認 |
浮腫 | 足のむくみの有無確認 |
子宮底長 | 妊娠週数に応じた成長確認 |
腹囲 | 羊水の量や胎児の大きさを推定(必須項目ではない) |
※妊娠15週目までは省略可能
必要な場合は保健指導を実施します。指導については健診時に食事や生活に関するアドバイスや、妊婦の不安や悩み相談を行います。
超音波検査と臨床検査:妊娠週数に応じて、超音波検査(経腟、経腹)、臨床検査(子宮頸部細胞診、血液検査、感染症スクリーニング、耐糖能異常スクリーニング等)を実施します。
妊婦健診のスケジュール

- 妊娠初期~23週(受診間隔は4週間に1回)
- 血液検査【初期に1回】
- 血液型(ABO血液型・Rh血液型・不規則抗体)、血算(白血球、赤血球、血小板の数・大きさ・容積・形態など)、血糖、B型・C型肝炎抗体、HIV抗体、梅毒血清反応、風疹ウイルス抗体、HTVL-1抗体
- 子宮頸がん検診(細胞診)【初期に1回】、クラミジア検査
- 超音波検査【毎回】
- 妊娠24~36週(受診間隔は2週間に1回)
- 血液検査【期間内に1回】
- 血算、血糖、HbA1c
- B群溶血性レンサ球菌【期間内に1回】
- 超音波検査【毎回】
- 妊娠37週~出産(受診間隔は1週間に1回)
- 超音波検査【毎回】
- NST【毎回】
出生前診断

出生前診断とは、赤ちゃんが産まれる前に生まれつきの病気がないかどうかを調べる検査のことです。
当院ではクアトロテストと羊水検査を行っています。
出生前診断を検討される場合、まずは担当医へご相談ください。医師よりご説明させていただき、日程が決定したら同意書をいただきます。
クアトロテスト(母体血清マーカー検査)
費用:20,000円(税込)
クアトロテストとは、血液検査によって胎児がダウン症や13、18トリソミーなどの染色体異常、一部の神経疾患の確率が出るスクリーニング検査です。妊娠15週~17週くらいの頃に実施します。検査をしてから結果が出るまで10日~14日前後かかります。あくまで確立を出すスクリーニング検査であり、ダウン症などの染色体異常があるかどうかは羊水検査での確定診断が必要です。
※NIPT(新型出生前診断:当院では実施しておりません)よりもスクリーニング精度が劣ります。
羊水検査
費用:100,000円(税込)
クアトロテストが陽性の場合に羊水を採取してその中に含まれる胎児細胞の染色体を調べる検査です。妊娠17週から19週くらいの頃に実施します。超音波で観察しながら子宮に細い針を刺して注射器で羊水を採取します。検査後は1時間安静にし、お腹の張りがないかを確認してから帰宅いただきます。羊水検査による流産・破水のリスクは0.3%程度と言われています。検査後は、感染や流産予防のため、抗生剤・子宮収縮抑制剤(お腹の張りを止める薬)を3日間服用いただきます。検査を受けてから結果が出るまでは2週間前後かかります。
※中期中絶手術は、当院で羊水検査を受けた方に限らせていただいております。