- 2026年3月10日
教えて!岩佐先生~人工授精・体外受精・顕微授精、何が違うの?岩佐院長が分かりやすく解説します~

Q1. 「人工授精(AIH)」とはどのような治療ですか?
A. 「出会いの場所まで、精子をエスコートする」治療です。
「人工」という言葉が使われますが、実は受精そのものは「体の中(卵管)」で行われる非常に自然に近い方法です。
● どんなことをする?: 採取した精子を洗浄・濃縮し、元気な精子だけを集めて細いカテーテルで子宮の奥へ直接届けます。
● こんな場合におすすめ: 精子の数や運動率が少し控えめな場合、フーナーテスト(精子の通り具合)の結果が良くない場合など。
● ポイント: 精子の「最初の長い旅」をショートカットして、出会いの確率を底上げします。
Q2. 「体外受精(IVF)」は人工授精と何が違うのですか?
A. 「体の外で、確かな出会いを見守る」高度なステージです。
ここからは「高度生殖医療(ART)」と呼ばれ、体の外で受精を成立させます。
● どんなことをする?: 卵巣から卵子を取り出し(採卵)、専用の培養皿の中で精子をふりかけます。精子自らの力で卵子に入り込み、受精するのを待ちます。
● こんな場合におすすめ: 卵管が詰まっている場合、人工授精で結果が出ない場合、中等度の男性不妊がある場合など。
● ポイント: 「受精したかどうか」を直接目で確認できるのが大きなメリットです。育った受精卵(胚)を、最適なタイミングで子宮へ戻します。
Q3. 「顕微授精(ICSI)」とはどのようなものですか?
A. 「一匹の精子と一つの卵子を、プロの手で結ぶ」方法です。
体外受精のさらに一歩進んだ形です。
● どんなことをする?: 顕微鏡で見ながら、細いガラス針を使って「たった一匹の最も元気な精子」を卵子の中に直接注入します。
● こんな場合におすすめ: 精子の数が極端に少ない場合、体外受精(ふりかけ法)で受精が起こらなかった場合など。
● ポイント: 精子の自力での進入を待つのではなく、胚培養士が「運命の一匹」を選び抜きます。男性側に強い原因がある場合でも、可能性を大きく広げることができます。
岩佐院長からのアドバイス
どの方法が「正しい」かではなく、お二人の状況に「最もフィットする」方法を一緒に探していきましょう。私たちは、お二人が納得して進めるよう、全力でサポートいたします。
岩佐弘一 プロフィール
ホルモン研究とガイドライン執筆の経験を、あなたの健康へ
大学時代より、女性の健康の要である「女性ホルモン」の研究に深く携わってまいりました。 その専門性を活かし、日本産婦人科学会の「低用量ピルガイドライン」や更年期女性に関する数多くの論文の執筆活動など、正しい医療情報の普及にも力を入れています。
