- 2026年1月27日
- 2026年1月25日
教えて!岩佐院長~「これって普通の生理痛?」~月経困難症とピルの気になる疑問Q&A

「生理痛はあって当たり前」「みんな我慢しているもの」……そう思って毎月、痛みをやり過ごしていませんか?
実は、その痛みには「月経困難症」という名前がつき、治療の対象になるかもしれません。
今回は、診察室でよく受ける質問をQ&A形式でまとめました。
Q1. 普通の生理痛と「月経困難症」の違いは何ですか?
A. 一言で言うと「日常生活に支障が出ているかどうか」です。
医学的には、生理に伴って起こる強い痛みや吐き気などの症状で、生活が困難になる状態を「月経困難症」と呼びます。
● 普通の生理痛: 市販薬を飲めば普段通り過ごせる。
● 月経困難症: 薬を飲んでも寝込んでしまう、仕事や学校を休む、生理が来るのが怖い。
また、月経困難症には「ただの体質」だけでなく、子宮内膜症や子宮筋腫といった病気が隠れている「器質性」の場合もあります。これらは放置すると将来の不妊リスクにつながることもあるため、「いつものこと」と片付けないことが大切です。
Q2. 病院ではどんな検査をするのですか?痛いのが不安です。
A. 主な検査は「お話(問診)」と「超音波(エコー)」です。無理な検査はしませんのでご安心ください。
原因が体質なのか、病気なのかを調べるために以下の検査を行います。
- 問診: 痛みの程度や、困っていることを伺います。
- 超音波検査: 子宮や卵巣の状態を確認します。
○ 性交渉の経験がある方は、より詳しくわかる「経腟エコー」を行います。
○ 未経験の方や抵抗がある方は、お腹の上からのエコーで対応可能です。 診察前に遠慮なくお伝えください。 - 血液検査: 必要に応じて、炎症の数値などを調べます。
「内診が怖い」という理由で受診をためらう方も多いですが、まずは相談だけでも大丈夫ですよ。
Q3. 低用量ピルを勧められましたが、副作用が心配です…。
A. 飲み始めの一時的な症状はありますが、多くは3ヶ月以内に落ち着きます。
ピルと聞くと怖いイメージを持つ方もいるかもしれませんが、正しく知ればとても心強い味方です。
● よくある初期症状: 吐き気、不正出血、胸の張りなど。これらは「体がピルに慣れるまでの準備期間」のようなもので、ほとんどの方が継続するうちに気にならなくなります。
● 重大なリスク(血栓症): 血管が詰まる「血栓症」のリスクがわずかに上がりますが、その頻度は妊娠中や出産後よりもずっと低いものです。
● よくある誤解: 「太る」「将来不妊になる」といったことはありません。むしろ、子宮内膜症の進行を抑え、将来の妊娠の可能性を守ってくれるメリットがあります。
岩佐院長からのメッセージ
「生理痛くらいで病院に行くなんて……」と遠慮する必要は全くありません。
今の生理痛を楽にすることは、今のあなたの生活の質(QOL)を上げるだけでなく、5年後、10年後のあなたの体を守ることにも繋がります。
毎月の「ううっ…」という痛み、そろそろ卒業しませんか?
岩佐弘一 プロフィール
ホルモン研究とガイドライン執筆の経験を、あなたの健康へ
大学時代より、女性の健康の要である「女性ホルモン」の研究に深く携わってまいりました。 その専門性を活かし、日本産婦人科学会の「低用量ピルガイドライン」や更年期女性に関する数多くの論文の執筆活動など、正しい医療情報の普及にも力を入れています。
